病院からもらったお薬は指示通りに飲ませなきゃいけないと思って悩まれている方は多いのではないでしょうか?少しでもお薬を飲ませやすくなるよう、飲ませ方の工夫などについて紹介します。
粉薬はどんな味?
子ども用の粉薬は、甘い味や香りをつけて飲みやすく工夫されているものが多くあります。例えば、抗アレルギー薬の成分は苦いですが、バナナ味やイチゴ味など子どもが好きな味にして飲みやすくしている薬もあります。それでも、抗生剤やステロイドの粉薬など、お薬によっては、苦い味がどうしても残ったり、お薬の量が多かったりするので、子どもが飲むのを嫌がることがあります。
飲むのを嫌がるとき、どうする?
1. ジュース、ヨーグルト、アイス、ゼリーなどの飲食物に混ぜる
ご家庭にあるもので、手軽に試すことができます。飲食物を使う場合の注意点は2つあります。
- 1歳未満の子どもには、はちみつが含まれる飲食物を避けてください。乳児ボツリヌス症になる危険があります。
- お薬と飲み合わせの悪い飲食物に注意してください。
2. 服薬補助ゼリーを使う
当薬局でもドラックストアさんでも販売されている服薬補助ゼリーは、お薬の吸収や作用に影響しない成分で作られていたり、砂糖不使用などで1歳未満でも使用できる製品があります。製品によっては、服薬ゼリーの使い始めだけ水分が多いことがあります。その場合は水分が多い部分は一旦捨てて、固形のゼリーの部分を使ってお薬をしっかり挟みこむと、成功しやすいです。
3. 錠剤やカプセルに挑戦
5歳前後になると小さめの錠剤やカプセルを飲める子どもも増えてきます。
お薬の量は、体重に合わせて変わりますので、体重に比例して、お薬の量が増えていきます。粉薬の量が多い場合、錠剤やカプセルへの変更で飲みやすくなることがあります。また、苦みが強いお薬では、錠剤の方が苦みを感じにくくなるメリットもあります。錠剤に挑戦できそうになったら、小さなラムネ菓子やチョコレート菓子等を使って、水で飲む練習をしてみましょう。
粉薬のよくあるトラブル
【一杯分のジュースに溶かしたけど、飲み残してしまった】
お薬を混ぜるときは、一口で飲める程度のジュースに溶かして与え、お口直しに元の美味しいジュースを飲ませるのがコツです。
このとき、生ジュースやグレープフルーツジュースを使用すると、お薬の効き目に影響することがありますので、避けてください。
【ゼリーに混ぜたけど、子どもが苦いと飲んでくれない】
ゼリーやヨーグルトなどの食品の上にお薬をふりかけていたり、かき混ぜてしまうと、苦みやざらつきを隠せません。サンドイッチのようにお薬を食品で挟むことで、苦みやざらつきを抑えることができます。
【見た目で、お薬を嫌がられてしまった】
オレンジやピンクなど鮮やかな色のお薬を視覚的に嫌がる子どももいます。このようなケースでは、イチゴヨーグルトやチョコレートなど色のついた食品で隠すとお薬が見えにくくなります。

1歳を過ぎると、少しずつお話が理解できるようになります。なぜお薬が必要なのか、お薬を飲まないとどうして困るのか、子どもとお話ししてみるとよいでしょう。おままごとのおもちゃを利用して、ぬいぐるみや人形にお薬をあげてみるといったごっこ遊びも有効かもしれません。そして、何よりお母さんお父さんに褒められることが子どもにとって1番嬉しいことです。お薬を飲めた時は、「〇〇ちゃん、すごい!かっこいい!」などたくさん褒めてあげてください。
お薬の種類や治療期間、子どもの年齢など状況によって、工夫の仕方は変わってきます。何かお困りの際は、ぜひ、病院や薬剤師にお気軽ご相談ください!